六組同朋大会 絵解き法話
講師 梛野明仁師(なぎのあきひと)
講題 「御絵伝は親鸞聖人に出遭う地図」
日時 2016年6月19日(日)午後14時~
場所 超願寺(片原町)
主催 真宗大谷派 高岡教区 第六組
去る6月19(日)、6組超願寺(片原町)で6組同朋大会が行われた。日曜日の午後14時、会場は真宗宗歌で幕が開け、嘆仏偈、組長挨拶、そして講師の梛野明仁師より、絵解き法話をして頂いた。昨年と同様、琵琶を弾き「祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり」と平家物語も語っておられた。参詣者は約70名、本堂に大勢の方が聴聞に来ておられた。
「絵解き」とは、親鸞聖人の生涯を著した「絵伝」の懸け軸を前にして、その生涯を語るものである。「御伝鈔」は宗祖親鸞聖人の伝記として最初のものであり、「信行両座」や「(山伏)弁年済度」など感銘深いエピソードを交えてなじみやすく述べられており、画期的なものと評価されている。親鸞聖人のひ孫である執筆者三代目覚如上人が、26歳の時、永仁3年(1295)に親鸞聖人の御生涯を讃え、絵巻物として広く世に伝えるため、絵詞(えことば)を著わされた。しかし、絵巻物では大勢の人が拝観できず、人数が限られるので、後に詞と絵に分けられるようになった。その詞を「御伝鈔」、絵を「御絵伝」という。
私が会場に入った時、第一幅の五段目辺りであった。梛野師は、会場を笑いの渦に巻き込み、リラックスさせ、分かりやすく語っておられた。一幅目の五段と言えば、「蓮位夢想」の段である。梛野師は『聖人84歳の時、お弟子に蓮位房という人がおられた。聖徳太子が親鸞聖人を弥陀の化身として仰ぎ合掌している夢を見る場面だ。
蓮位の夢に、親鸞聖人と聖徳太子が出てくるが、聖人は800年前、太子は1400年前に実在しておられた。しかし二人は600年という長い年月の隔たりがあり、現実的には2人は出会うことはまず無いのだが、夢であれば出会えるということで、夢のビック対談と言われている。当時はこの段と下の段が無かったが、御絵伝と御伝鈔が二つに分かれてからこうやって四幅の御絵伝になった時に上の2つが継ぎ足された』ということである。
『蓮位は戦いに巻き添えになり、親鸞の命乞いの末助かったという。しかしこの空しい人生は何なのか。健康で長生きできて、お金があっても幸せにはなれん。そこにはやはり、教えに出遭うということがなければ、師に出遭うということがなければ我が人生は空しかった、と言った人が親鸞聖人です。私が今ここにいるのはなんでか。それは、私が私に生まれてよかったなあと言える喜びに出遭って下さいというお心をご本願としてナンマンダブツ、ナンマンダブツと聞かせてもらう。その時、お念仏が私を突き破って、ナンマンダブツ、ナンマンダブツと目が覚めるんです。親鸞聖人の言葉で言うと「念仏申さんとおもいたつ心の起こるとき、既に摂取不捨の利益にあずけしめたもうなり」と。念仏申さんとおもい立つ心のおこる時を、私達は今こそ、帰ってすべきことでなかろうか』と語っておられた。